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2012年11月

相続(特別受益)

相続時にかなり重要になってくる制度に”特別受益”というものがあります。

特別受益とは、相続人間の公平をはかるための制度です。

民法903条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

という規定があります。

相変わらず条文はわかりづらい。

簡単な例で説明します。

Aには1000万円の財産があったとします。

Aには子供がBCの二人いたが、Bだけに生計の資本として500万円あげた。

そして、その後Aは亡くなったとします。

そうなると、Aが亡くなったときの財産は500万円。そして相続人が子BCで、相続分は1/2づつになるので、BCそれぞれの相続財産は250万円となります。

ん?生前にBはAから500万円もらっているんだから、実質750万円もらってるのに、Cは250万円?これではちょっと不公平じゃないか?

なので公平の観点から、AがBにあげた500万円は相続財産の前渡しだった。と考えます。

つまり、Aの死亡時の財産は、手持ちの500万円+Bにあげた500万円で1000万円と考えるので、BCそれぞれの取り分は500万円。

しかし、Bはすでに500万円をもらっているから死亡時に新たに取得する財産は0円。逆にCは500万円を取得するという結果になります。

これで公平です。

ここでいうBがもらった500万円が特別受益。そしてその特別受益を実際の相続財産に加算することを相続財産の持ち戻しと言います。

しかし、生前にあげた財産がすべて特別受益に該当するわけではありません。

条文にあるように、”遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として”あげたものに限ります。

この曖昧な書き方がとても法律っぽくて嫌です。

遺贈はいいとして、何をもって生計の資本というのかよくわかりません。はっきりこれとこれは該当。これは対象外。と言ってくれれば争いも減ると思うんですが…。

なので、今までの判例に照らし合わせ、個々に判断するしかありません。

次回は、特別受益のつづきと、持ち戻しの免除について書く予定です。

住所の変更

不動産を所有されている方。

引っ越しとかして住所が変わったとき、住所の変更登記を申請していますか?

市役所に届ける住所変更とは違います。

法務局に対する申請です。

この申請、やっていない方がかなりいます。

引っ越しと同時にやらないと何らかの罰則があるとか、そういうことはありません。

でも、最終的にはやらなければいけないことがほとんどです。

”最終的に”とはどういうことか。

それは、不動産の所有者ではなくなる時です。

たとえば、売却するとか贈与する場合です。

その時は、実際の現住所と登記簿上の住所が一緒でないと、所有権を移転することはできません。そのため、所有権の移転の前提として、住所変更の登記を申請することになります。

これが、案外面倒な場合があります。

住所変更登記の申請には、登記簿上の住所から現在の住所への変更過程を証明する必要があるからです。

1回しか引っ越ししていなければ、たいてい今の住民票には○○から住所移転みたいに書かれているので、それだけで変更過程を証明することができます。

何回か引っ越しはしたけれど、本籍は異動していないという場合も、戸籍の附票という書類で案外簡単に変更過程が証明できます。

ところが、複数回引っ越しされていたり、本籍も異動していたりしていると住所の変更過程が証明できないこともあります。

なぜ証明できないか。

それは、古い住民票やら戸籍の附票は、住所変更や除籍の日から一定期間を過ぎると役所が廃棄してしまうからです。

また、役所の都合で改製(コンピュータ化等による作り直し)した場合も、その日から一定期間を過ぎると廃棄対象になります。(だいたいどこの役所もここ10年くらいの間に1度は改製しているので要注意)

おい!と、突っ込みたくなるところですが、最低保存期間5年と法律で決まっているので、文句も言えません。

役所によっては、かなり古いものも未だに保管してくれているとこもありますが…。

そうなってしまうと、別の方法で証明しなければならなくなっちゃいます。

そこに住んでいないことの証明書(不在住証明)を取って、権利証を付けてと余計な仕事が増えてしまうわけです。

これを防ぐためには、こまめに住所変更登記をすることです。と、言いたいとこですが、費用も手間もかかることなのであまりお勧めできません。

一番いいのは、引っ越しごとに住民票を1通でも保管しておいて、いざという時にまとめて申請する準備をしておくことかもしれません。(そんな用意周到な人は見たことないですが)

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